PIOの日記~as a piano lover, as a tutor~

ピアノ愛好家PIOの過去ブログ(2005年~2017年)。足を運んだコンサートのレビュー、日常の想いなどの思い出です。

カテゴリ: ショパコン2010

ショパコン、最終結果が出ましたね。

優勝は、女性です。
ユリアナ・アヴディエヴァ(ロシア)

なんとわたくし、
夜中の2時過ぎに、彼女の協奏曲を生で聴いて(見て)おりました。
第三次予選、ファイナルで聴いたのは、彼女の演奏だけ。

たまたま、この日は夜遅くお仕事メールがドヒャッと送られてきて、
慌てふためいて対処していたら、寝られなくなってしまったのです。
それで、

「そうだ、この際、ショパコンを聴こう!」

と決意。
サイトを開けたところ、彼女、第1楽章を演奏中。
ついつい、第3楽章までぜーんぶ、聴いてしまいました。

非常に印象深かったです。

まずは、その衣装!
女性ですが、「黒いパンツスーツ」。それも、細身の。
印象としては、男装!に近いです。
コンクールで、パンツスーツの女性演奏者を見たのって初めてかも。

それから、その態度。
なんといいますか、演奏中も、演奏後も、

媚びない!微笑まない!乱れない!

オーラに包まれつつ、毅然、超然として弾いている感じです。
お辞儀をするときも、その態度は変わらず。。。
演奏が終われば、ほっとした表情を見せたり、微笑んだりするのが普通
のような気がするのですが、そんな様子はほとんどナシ。
「潔い!」という印象の彼女です。

それから、その目!
オーケストラだけの演奏のときなど、上を向いて目を閉じたりもするのですが、
自分の演奏となって、かっと目を見開くと、まあ、もうびっくるするほど……
大きい!……そして、美しい!

もちろん、夜中に3楽章ぜーんぶを「聴かせる」その演奏も素敵でした。
いろんな音色を自在に繰り出してくる、という印象でした。
さすが、軽やかなパッセージの繰り出しぶり、見事でした。

昨日、一昨日と、ネットにアクセスできずにいました。
その間に、二次予選が終了し、予選通過者が確定したのですね。

日本、韓国からの参加者、全員通過ならず。。。予想外です。びっくりです。

私自身としては、いい演奏がいろいろ聴けて、
演奏者の個性なども感じ取ることができたりもして、とても楽しかったのですが、
自分の感性が、いわゆる「審査員の判定」とは一致しない
ということを再認識いたしました。

本日、三次予選の演奏もちょこっと聴きましたが、
一次、二次予選のときほど、インパクトを感じなかったような…
私の感受性の問題もあるのかもしれませんけれど。

というわけで、

ショパコンへのコメントは、今後は控えようと思います。

……何か衝撃を受けるようなことがあった場合は、
またあれこれ書いてしまうかもしれませんけれど、ま、今のところは……

10.50 - Yuma Osaki (Japan)

今日は事情により、完全な「ながら聴き」だったので、
詳しいことはコメントできません。
ただ、最初はちょっと硬い音だったのが、弾きこむうちに「のって」きて
だんだん音質の幅が出て、音楽が流れるようになったという印象を受けました。
昨日の、若い片田さんが、
前半の見事な集中を保つのに苦労しているように見えたのと、対照的に感じました。

それにしても、5年前のファイナリストなのに、
今年また挑戦するとは、すばらしいです。
演奏後のインタビューでは「一次予選が一番難しい」と答えていたようで
(周囲の雑音が多くいうえに英語で、よく聴き取れなかったのですけれども…)
おお、経験者の弁!と思いました。

その前の演奏は
10.00 - Paweł Wakarecy (Poland)

最後のほうだけ聴きましたが、演奏後の聴衆の熱狂ぶりがすごかったです。
さすがは地元!

10.50 - Leonora Armellini (Italy)

最後の英雄ポロネーズだけ,聴きました。
歯切れのよい、女性ながらパワーあふれる、躍動感のある演奏でした。
演奏後には、聴衆からも歓声があがっていました。

12.10 - Airi Katada (Japan) (日本時間19:30~20:15頃)

まだ18歳の高校生なのですね。
その姿かたちそのまま、可憐でのびやかな演奏でした。

舌を巻いたのは、マズルカです。
実は私、マズルカの良さって、よくわからないまま今まで来たのですが、
彼女のマズルカ(作品17、1~4)には、引き込まれてしまいました。
リズム感、歌わせ方、見事だったと思います。

最後のアンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ、
体力的に大丈夫かな…と思わせる箇所がほんのちょっとありましたが、
うまくまとめて、演奏後には彼女もまた、聴衆からの歓声を受けていました。

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このあと夜の部は、

17.00 - Claire Huangci (USA)

17.50 - Da Sol Kim (Republic of Korea)

20.00 - Rina Sudo (Japan)

と、注目株が続々と登場するのですが、日本時間では24時以降。。。
あれやこれやで疲労ぎみのわたくし、
生で聴けるかどうか、ちょっと難しいところです。

2次予選、とぎれとぎれに、聴きました。

10.50 - Miroslav Kultyshev (Russia) の ワルツ変イ長調op.42にシビレました。

演奏後は、会場から歓声が上がっていました。
プロフィールを見てみたら、チャイコフスキーコンクールの覇者、なのですね。
彼の前の演奏者が、緊張しまくり、結構大変!という感じだったので、
彼の落ち着きぶり、堂々とした様子がいっそう目立ちました。

17.50 - Kotaro Nagano (Japan)

スタッカートとレガート、ピアノとフォルテ、といったコントラストがはっきりした、
歯切れのよい演奏で、とても好感が持てました。
テンポも結構揺らして、速い個所、たっぷり歌う個所、それぞれ抒情性豊か。
ダンタイソン氏に師事しているそうで、なるほど納得、でした。

一次予選の結果は、こちら→(

あらら…
前回の記事で、私が「当たり」だと書いた方々、
3人とも落ちてしまいました。……やはり厳しいものなのですね。
萬谷さんも通過ならず。

以前から感じていたことですが、ショパンコンクールって、
「音の軽やかさ、きらきら感」
が、ものすごーく重視されているような気がします。
ちょっと硬めの、ドイツっぽい音色の演奏は、ことごとく却下される、というような。

10月4日に聴いた Claire Huangci (USA) (エリザベート入賞)、
順当に予選通過です。

彼女と同様、エリザベートで活躍した、次の二人も予選通過。(→

Evgeni Bozhanov (Bulgaria) (エリザベート2位)

Da Sol Kim (Republic of Korea) (エリザベート6位)

5月の時点では参加者一覧にあったはずの、Yury Favorin (Russia)(エリザベート4位)の名前は、一覧から消えていました。棄権でしょうか?

通過者の国籍と人数を調べてみました。

ロシア7
日本6
中国5
ポーランド4
アメリカ3 
フランス3
ウクライナ2
韓国2
イタリア2
ブルガリア1
オーストリア1
台湾1
カナダ1
スペイン1
オーストラリア1

80名ほどから40名に絞られて、
これからが、ますますの聴きどころ、ですね。

例によって、時間が空いたときに聴いてみました。(本日17時前後~18時過ぎ)
聴けたのは、次の方々たち。

1)Mamikon Nakhapetov (Georgia)

2)Julian Zhi Chao Jia (China)

3)Kaoru Jitsukawa (Japan)

1)ジョージアって、どこの国?と思ったら、グルジア、でした。
最後のバラードしか聴けなかったのですが、
曲の作り方とか、歌わせ方とか、とても聴かせる演奏でした。
最後のところだけが、ちょっと崩れてしまって、残念。

2)まだ19歳。線の細い少年ながら、
「ぼくはアーティスト!」という自負感にあふれる雰囲気の持ち主。
少女マンガのサブ主役に出てきそうな感じです。(髪型も)
すでに多くのコンクールに入賞している、というプロフィールも納得の演奏でした。
練習曲は、まさに非の打ちどころのない、というような。
最後のスケルツォ4番は、私のほうがちょっと集中力が切れてしまうところもあり、
全曲通して聴かせる力には、ちょっと乏しかったのかも。。。
(聴き手側の問題もあるかもしれませんが…)

3)實川風さん。名前は聴いていましたが、演奏は初めて聴きました。
まっすぐ、のびのび、自然体で若々しく、魅力的な演奏でした。
まず、曲順にちょっとびっくり。
短めの練習曲や、ノクターンから入って、最後に10分以上の大曲で締める
というのが一般的だと思うのですが、
彼は、「幻想曲」から入り、その後練習曲3曲(締めは「革命」)。
最初から「聴衆をつかむ。自分のムードを作る。」といった感じで、
なるほどなあ、と思いました。
他の曲も、もっと聴いてみたい、と思わせる演奏でした。
ルックス(野球のダルビッシュ選手にちょっと似ている?)からも、今後人気が出そうですね。

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ピアニストによって雰囲気がまったく違うことがよくわかり、おもしろかったです。
演奏レベルも高く、今回は「当たり」だったといえましょう。
1時予選、明日までのようですね。
また、時間ができたら聴いてみたいです。

ショパン記念年のショパン・ピアノコンクール、ついに始まりました。

昨日から、だったのですが、
昨日は、諸々の事情により終日バタバタしていたのと、
オフィシャル・サイトのどこでネット中継が見られるのか判然としなかったのとで、
結局、何も見られず、聴けず。
(個人的に注目している萬谷衣里さんが演奏されたはずなのですが…残念)

で、本日。
オフィシャルサイトのサイド・バーに「Online Broadcasting」の文字を発見!
さっそく行ってきました。20時半ごろのことです。(→

……

うら若きアジア系の女性が、演奏していました。
で、見覚えがあるわけです。彼女に。。。なぜ?どなた??

演奏スケジュールから、プロフィールの写真を探してみて、納得!

14.00 - Claire Huangci (USA)

この方、先日のエリザベート王妃国際コンクールで、
ファイナリストに残っていたのでした!

今回の演奏、私には、エリザベートのときより、数段よかったように思えました。
まずもって、「堂々」「自信」「風格」感が、出ていました!
なんといいますか、「焦り」のようなものはまったく見られない、自由自在感。

すごいですねえ。。若者の成長具合って。

彼女、お昼の部の最終演奏者だったようで、
彼女の演奏終了後、ただいまネット中継は中断しています。
で、中断後の最初の演奏者が、

17.00 - Da Sol Kim (Republic of Korea)

びっくり。彼は、エリザベートの6位入賞者です。
彼もまた、成長具合を見せてくれるのでしょうか???
それまで起きていられるか、今日はちょっと自信のない私……

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