上野星矢フルート・リサイタル

2011年7月15日(金) 午後7時開演 9時終演
@王子ホール

フルート:上野星矢
ピアノ:佐野隆哉

ジョルジュ・エネスコ: カンタービレとプレスト

アルベルト・フランツ・ドップラー: ハンガリー田園幻想曲 OP.26

ルチアーノ・ベリオ: セクエンツァ

ジョルジュ・ビゼー: カルメン「間奏曲」

フランソワ・ボルヌ: カルメン・ファンタジー

ポール・タファネル: 「魔弾の射手」によるファンタジー

クリストフ・ヴァリバルト・グルック: 精霊の踊り

カール・ハインリヒ・ライネッケ: ソナタ「ウンディーネ」OP.167

カッツィーノ: アヴェ・マリア

リムスキー・コルサコフ: 熊蜂の飛行

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2010年10月以来の、上野くんでしたが(→
また、一段と進化を遂げ、大きくなっていることに驚嘆いたしました。

なんとまあ、のびやかな、透明な、クリアな、音色でしょうか!
フルートって、こんな音が出るんだ!と、今さらながら、びっくりしました。
会場全体に、驚嘆のムードが広がっておりました。

伸び盛りの若手音楽家の成長ぶりって、すごいです。
ただ、ただ、このリサイタルを生で聴けたという幸運に、感謝です。
耳馴染みのある曲目も多かったのですが、
なんといいますか、とても「聞きなれた曲」とは思えず、
「こんなに素敵な曲だったんだ」
「こんなに繊細な曲だったんだ」
と、大変、大変、新鮮に聞こえるばかり。。。

現代曲「セクエンツァ」、無伴奏のフルート独奏曲で、これは初めてでしたが、
次から次へと繰り出される多彩な音色に圧倒されました。
「尺八?…」と思ってしまうような音色までも。

それから、是非是非、書いておかねば、と思うのは、
ピアノの佐野隆哉さんの見事さです。
クールなたたずまいで、これまた、柔らかな音色、クリアな音色を使い分け、
ソロを支え、引き立て、ある時は引っ張り、
お見事なるアンサンブルを創り上げていました。
経歴を見ると、日本音楽コンクール2位、ロン=ティボー国際コンクール5位、など
そうそうたるもので、むべなるかな……であります。

二人そろって、フランスの香り漂う洗練された雰囲気を醸し出し、
是非また、このペアでの音楽を聴きたい!と思ったことでした。

至福の夜でございました。